イチニノ『正午』上演における

新型コロナウイルス感染症対策について


 

◎イチニノの感染症対策コンセプト


 
・劇場に足を運ばれるお客さまの感染リスクは

  「日常生活を送ることより低く」する。


 ・公演参加者の感染リスクは

  「日常生活を送ることよりできるだけ上げない」ようにする。

 


 

【イチニノ『正午』における感染症対策について〜基本的な考え方〜

 


この状況下で、劇場で公演を行おうとする方は

皆真剣に、全力を尽くして感染症対策に取り組んでいます。

各方面で出されているガイドラインに準じて対策をしている主催者等の公演では

上演そのものへ、観客として足を運ぶことによる感染リスクは、

お客様が日常仕事をする・買い物をする、といった行動より

とびぬけて高くなることは考えにくい状況です。

イチニノは、大変苦労をしながら感染症対策を行っている他の上演団体さんと同様、

劇場内での感染リスクが、お客様の日常生活における感染リスクを下回ることを

目標として対策を行っていきます。

一方、報道等でも注目されたのは、

稽古を行う際の参加者の感染リスクです。

いわゆる「職場クラスター」の一種ではありますが、

演劇は、その性質上、「密になることを避けようとしていない」と見られがちであると思います。

表現の関係で、どうしても距離が近くなる・飛沫が飛ぶ等の状況は発生する可能性があります。

その中で、できる限り日常生活における感染リスクよりも上げない、ということを目標にすることで

日常生活と同様に劇場に足を運んでいただける可能性が生まれる、と考えています。

観劇は「非日常」の体験です。


現状、私たちは日常生活をするうえで、感染リスクがゼロになることはありません。

しかし、「観劇」をすることも、「観劇を提供」することも

感染リスクにおいては「特別」ではなく、日常と変わらない。

そのように感じていただけるよう、対策を明確にしてお知らせしていきます。

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【稽古実施における感染症対策について】

 

稽古場における感染リスクを下げるため、以下のとおり取り組みを行っています。

 


〇稽古場に入る前に検温は行っていません。
 それ以前に体調に異変がある場合は稽古場へ向かいません。

体調のチェックは稽古場に来る前に、つまり家を出る前に行い、

心配事がある場合はメンバーにて情報を共有し、稽古を休む等の判断を行っています。

特に暑い時期の稽古については熱中症を含め異変を感じやすいので、

「無理をしない」ことが基本ルールとなっています。

 

〇入室時には石鹸で手洗い、稽古中は適宜消毒液で手指の消毒を行います。

感染の原因の多くは手指で自身の目・鼻・口に触れることだと言われています。

つまり手指にウイルスが付着している状態をできるだけ避けることが一番です。

稽古場入り前には石鹸での手洗いを行い、

稽古場入り口に設置する消毒液にて、適宜消毒を行っています。

除菌用のウエットティッシュも稽古場内に配置しています。

何より、「適宜消毒をしよう」という意識づけが大事ですので

稽古の合間にお互いに声掛けを行い、各自が率先して消毒を行っています。


 

〇稽古場内は原則マスク着用、演者はマウスシールド着用を徹底。

7月上旬までは稽古場内は全員マスク着用にて稽古を行っていました。

暑い季節になってきて、呼吸に支障が出て体調に影響がある、と思われたため

マウスシールドを着用しての稽古に切り替えています。

マウスシールドにおいては、飛沫の防止に十分な効果があるのか、という疑問を呈する記事等もありますが

マスクを着用したまま演技をしても、動くことで隙間が発生したりすれば、小さな飛沫が漏れることはあります。

『第1回全日本もう帰りたい選手権』など、飛沫の飛びやすい演目においては

稽古を連続して行わず、換気の時間をとるなど、飛沫が漂うことによる感染をできるだけ防ぐ努力をしています。

また、マウスシールドは稽古ごとに消毒をしています。



 

〇稽古場内は換気されにくいことを前提に、換気を徹底。

現在の稽古場は、風が通りにくいため、換気が最も重要となります。

ただし、環境上、窓を解放したままの稽古が可能であるため、

稽古中は常に窓を解放しています。

解放箇所は画像のとおりで、できるだけ風が流れやすくなるよう計5か所を解放しています。

また、室内には換気扇のほか、扇風機が4カ所に設置され、空気の循環を促しています。

風が比較的ある日は十分に換気がされますが、風がない日は換気がされにくいため

(また、必然的にこの季節は暑いため)

適宜休憩を稽古場外(屋外の日陰)に出て取っています。

 

〇換気と合わせて、熱中症対策を徹底。

イチニノの稽古場は木造2階建ての2階で、大変熱がこもりやすく暑いので

感染症対策はもちろん、熱中症対策が命になります。

エアコン・扇風機4台でも、命の危険を感じる暑さになることもあるため

連続した稽古時間を避け、休憩を増やし、水分補給を行っています。

暑さがひどい場合は、前述のように屋外に出て休憩をとるようにしてます。

また、特に今回の短編集は「海」「田舎の夏」をモチーフとした作品があることから、

感染症対策と、劇場サイズの確認を兼ねて適宜屋外での稽古を行っています。 

この際、距離が十分に確保できる作品においては、マスクなしでの稽古を行っています。
(画像参照)

 

 


 

〇稽古は土日祝のみ。稽古時間は最小限。免疫力を下げないことが大事。

参加メンバーのスケジュールの都合もありますが、稽古は原則土日祝のみとしています。

連続して稽古を行わないことで感染リスクを下げる狙いもあります。

稽古時間も、できるだけ短く済むような演目を選ぶなどしています。(詳細は後述)

体調を維持し、免疫力を下げないことが大事と考えています。

〇稽古場に大人数が集まらないために、演目そのものを変更。

もともと上演予定であった作品は、おおむね100分程度の長編作品でした。

この場合、出演する役者・スタッフの同じメンバーが長時間稽古場に常駐することになり

感染リスクが高まる可能性があります。

そのため、緊急事態宣言解除ころに、メンバーで話し合いを行い、

長編の上演を取りやめ、短編集とすることにしました。

短編は3作品を予定していますが、
『第1回全日本もう帰りたい選手権』(キャスト3(演出含む))

 過去に上演した作品を同じキャストで再演するため、稽古時間を最小限にすることができる。

・『青い夏』(キャスト3・演出1(一部サブキャストあり))
大きな声を出す場面がほぼなく、飛沫による感染リスクが最小限になる。

・『正午』(キャスト2・演出1)
緊急事態宣言下で書かれた作品であり、大きな声を出す場面がなく、身体的距離も近づかない。
といった作品を選ぶことで、稽古・公演本番における感染のリスクを下げることを目標としました。
稽古への基本的な参加人数も、上記のとおり
(スタッフが打ち合わせ等で稽古を見る場合をのぞき)最小にしています。

また、これにより、演目間に換気休憩を設けることができることになりました。


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以上のように、稽古を行っていくにあたっては

個人の生活を(もちろん最大限対策をしながら)制限するのではなく、

日常生活をしっかり過ごしながらも、それよりリスクが高まることがないように

できる限りの努力を行っています。

茨城に限らず、日常生活を行っていくうえでは、

感染のリスクから完全に逃れることはできません。

万が一、感染することになっても、それは不可抗力であることもあります。

残念ながら、感染=悪いことをした、かのような

疑心暗鬼に陥る状況は、地方であるほど顕著であると思います。

それは茨城も同様です。

ですので、どういった対策が行われてきたのか、どういう意識で臨んでいたのか

それをクリアにしておくことが、最も大切だと考えています。


感染リスクがゼロにならない以上、「対策は万全です」ということはありえませんが

岩手・盛岡のみなさまには、茨城の状況を肌で感じていただけるわけではないので、

イチニノの活動に不安を持たれている方に、その不安を少しでも少なくしていただけるよう、

劇場に足を運んでいただけるよう、引き続き情報公開のうえ、進めていければと思います。

 


引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


イチニノ 前島宏一郎


 【本対策に係るお問い合わせ】

本対策について不明点等ありましたら、下記までお問い合わせください。

また、万が一観劇後に感染が疑われる可能性が発生した場合は、下記までご連絡ください。


イチニノ 主宰 前島宏一郎

ichinino.office@gmail.com

090-3436-9059


 

(参考)

(2020.9.1版)
※状況の変化により随時更新します。